最近、「ChatGPTで英語を練習できるって本当ですか?」という質問を保護者の方からいただくことが増えました。 先日も、小学4年生のお子さんを持つお母様から「うちの子にChatGPTで英会話をさせてもいいのか迷っていて…」というご相談がありました。
たしかに、ChatGPTは英語で話しかけると返してくれるAIですし、間違いも指摘してくれます。
でもその一方で——
「AIと会話するなんて、本当に意味があるの?」
「やっぱり人と話さないと“英会話”とは言えないのでは?」
「子どもが自分で考えなくなったりしない?」といった声も、たくさん耳にします。
今日はそんな疑問にお答えしながら、 「子どもにとっての英語学習とは何か?」 「AIとどう向き合えばいいのか?」を一緒に考えてみたいと思います。
英語を学ぶ目的って、なんだろう?
「英検にチャレンジしたい」「外国の人と話してみたい」—— 子どもたちが英会話を学び始めるきっかけはさまざまです。
でも本当の魅力は、その先にあります。
それは、「英語を通して、世界をどう見て、どう関わっていくか」という視点です。
ここで少し言語学の話をすると、「サピア=ウォーフの仮説」という有名な考え方があります。 これは、「私たちが使う言語は、その人の考え方や世界の見方に影響を与える」という理論です。
たとえば英語では、
“I did my homework.”(過去にやった) “I have done my homework.”(今すでに終わっている) のように、“過去の行動”と“現在の状態”を文法で明確に区別します。
つまり、英語を話すということは、物事を「時間軸で整理して考える力」を育てることにもつながるのです。 そしてその英語を、「ただ聞く」のではなく、実際に声に出して、話すことで、その思考スタイルそのものが身体に染み込んでいきます。
ChatGPT(生成AI)の可能性と限界
ChatGPTは、英語学習にどのように役立つのでしょうか?
まず、ChatGPTを使うことで、英語の質問や返答を自分のペースで何度でも練習することができます。さらに、文法や語彙のミスを指摘してくれるため、学習者は自分の弱点を把握しやすくなります。また、一定以上の英語力を持つ子どもにとっては、会話の幅を広げるための良い練習相手となります。
しかし、ChatGPTには限界もあります。例えば、子どもの表情や感情を読み取って声をかけることや、一緒に笑ったり拍手したりして心を通わせることはできません。また、「今日はちょっと疲れてる?」といった細やかな気遣いも難しいのです。
つまり、ChatGPTはとても便利な補助ツール。 でも、「ことばの楽しさ」や「気持ちを届ける喜び」を味わうには、 やはり人とのコミュニケーションが必要です。
子どもにとって本当に大切なのは「安心」と「楽しい」のセット
英語を話すことに自信がない子にとって、一番大切なのは、 「間違えても大丈夫」と思える安心感と 「英語って楽しい!」という気持ちです。
ChatGPTは「Good job! High five!」と手をパチンとすることはできませんし、 「知っている単語からやろうか?」と声をかけてくれることもありません。
でも、エイゴポップの先生たちは、 子どもの表情、しぐさ、声のトーンから、その日の気分を読み取りながら、 その子に合った進め方でレッスンを行います。
それは、まさに“ことばを超えたコミュニケーション”です。
メラビアンの法則に基づく、表情やジェスチャーの重要性
心理学の「メラビアンの法則」によると、 人のコミュニケーションにおける影響度は次のようになります。この法則によれば、人のコミュニケーションにおける影響度は、言葉そのもの(言語情報)がわずか7%であるのに対し、声のトーンやスピード(聴覚情報)が38%、そして表情や態度、ジェスチャー(視覚情報)が55%を占めています。つまり、相手に伝わるのは「言っている内容」よりも「どう言っているか」の方が重要であるということです。
子どもたちは、先生の目線や笑顔、手の動きなどから多くのことを学んでいますが、これらの“非言語コミュニケーション”は現時点ではAIには再現できません。
実際のレッスン例
私がオンライン英会話の先生を始めた当初、生徒が英語で答えられずに悩んでいたとき、「I don't know」と言わなくてもいいから、 指でバツを作ってくれればOKだよ、と伝えたことがありました。
すると、その生徒はレッスンの途中で指で三角形を作って見せてくれました。 「それは何の意味?」と聞くと、「ヒントがあればわかるよ!」というサインだったのです!
そのような経験をもとに、Eigopop(エイゴポップ)では「Hint, please!」で三角、「I don’t know」はバツなど、子供の目線に立ったジェスチャーでの英会話表現も取り入れ、生徒にとって伝えやすく、理解しやすい環境を整えました。
AIの時代だからこそ、『人と学ぶこと』の価値を
ChatGPTは素晴らしいツールです。 特に中高生や大人にとっては、補助的な練習相手として非常に役立ちます。
でも、子どもたちが「伝えたい気持ちを声にのせて届ける力」を育てるには、 人と人との学びの中でこそ、本当の成長があると、私たちは考えています。
英語は“科目”ではなく、心を伝えるコミュニケーション。 その力を育てるには、安心できる先生とのつながりが欠かせません。
英語を通して、世界と出会う第一歩を
Eigopopでは、お子さま一人ひとりの「伝えたい!」という気持ちを大切にしながら、英語を“自分の言葉”に変えていくサポートをしています。
ぜひ、最初の一歩を体験してみませんか?